4月の食品衛生重点チェック項目
対策 | チェックポイント |
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ゴキブリ対策 | 発生時期に備える(防虫施工および発生状況の確認) |
ハエおよび虫の進入、混入対策 | 捕虫機の確認と設置、防虫カーテン確認と設置、ドアの開放放置禁止 |
手洗い、衛生管理の基礎の徹底 | 新人社員への教育と実施状況の確認 |
食中毒への警戒 | 気温上昇に伴い発生件数が増加。ポスターや朝礼で注意喚起の実施 |
※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。
温度管理:温度上昇に伴う食材の管理
各地で桜が咲きそろい、日中の気温が20℃を超える日も出てきました。2017年から2019年の3年間の月別平均食中毒発生件数(全国)を見ると、4月から9月では細菌性が4月34件、5月39件、6月46件、7月47件、8月51件、9月65件と気温の上昇に伴って増加(この5ヶ月間で細菌性食中毒の約65%)が見られ、逆にウイルスによるものは、4月24件、5月22件、6月11件、7月4件、8月4件、9月3件と減少しています。このことから、今後は細菌性食中毒の対策が必要なことがわかると思います。しかし、ウイルスによる食中毒発生(3年間の平均)は、235件ありましたが、4月~9月でも68件(約29%)の発生があるので、通年の対策が必要です。
◆なぜ気温が上昇すると、細菌性食中毒が増えるのでしょうか?
細菌が増殖するには、①温度、②水分、③栄養の条件が必要で、特に温度が一番大きな影響を与えています。食中毒菌の中で腸炎ビブリオは特に増殖する速度が速く、条件が良いと8分で2倍に増え、計算上では1個の細菌が2時間40分で100万個を超えてしまいます。このように細菌が増えたものを食べると食中毒を起こすことになります。しかし、少ない菌量で発症するサルモネラ、カンピロバクター、O157等の食中毒も多いので注意してください。
食品が腐敗すると、匂いや味が変化するため気が付きますが、食中毒菌は味や匂いに変化がおこることが少ないため、気付かずに食べてしまい事故を起こしてしまいます。
①温度:食中毒菌は3~45℃ぐらいの幅広い温度帯で発育でき、人の体温(35~36℃)が大好きです。つまり気温が高くなると細菌が増えやすくなる訳です。
②水分:細菌は利用できる水分がないと生きられません。刺身や惣菜などの食品は水分が多く含まれており調理器具類も濡れたまま保管すると細菌が増える条件を満たしてしまいます。
③食品には様々な栄養素が含まれており細菌にとっても増殖するための栄養源になります。調理器具に付着した汚れも同じことですから、汚れは十分に落とし、除菌しておく必要があります。
◆温度管理の必要性
冷蔵庫(10℃以下)、冷凍庫(-18℃以下)、温蔵庫(65℃以上)の温度管理
殆どの食品は細菌が増殖するための栄養・水分の条件が整っており、温度の管理は重要です。
細菌は、10℃以下の低い温度では増殖のスピードが遅くなり、増えるには時間がかかります。(冷凍しても細菌は死なずに生きており、条件が整えば増殖します)
食品工場、飲食店、販売店で使用している冷蔵庫、冷凍庫、温蔵庫等には温度計が設置されていると思います。冷蔵庫等の温度は営業開始前、営業終了時は必ずチェック・記録して、温度を確認する習慣を付けましょう。
ビュッフェやバイキングスタイルの飲食店では、冷製のものは低温、温めて提供する場合は、65℃以上を保つよう工夫しましょう。また、トングなどの器具類の衛生にも留意してください。
調理(製造)中の温度管理
お昼時の飲食店では、トッピング材料等が常温に置かれていることも多いと思います。少量ずつ小出しで使うか氷を下に敷くなどの工夫をして、温度管理をしましょう。但し、氷を敷いて食品を乗せても、空気に触れている部分は温度が上昇しますので注意が必要です。
休憩時間に調理又は製造中の食品が常温に置かれていないか確認しましょう。短時間の休憩時間でも、冷蔵保管等の対応が必要です。
加熱温度と時間
ほとんどの食中毒細菌は加熱に弱く、食品の中心部(芯温)75℃1分以上加熱すると死んでしまうので十分な加熱をしましょう(ノロウイルス対策には85~90℃で90秒以上の加熱が必要)
ハンバーグなど挽肉を使った食品を調理する際は、中心部まで十分加熱されるように、フタをして加熱するなどの工夫をしましょう。
加熱後に冷却する場合は、食品の中心部の温度(芯温)を早く下げないと、ウェルシュ菌などが増殖する恐れがありますので、小分けして早く冷却するなどの工夫をしましょう。
再加熱する場合は、芯温75℃1分以上の加熱を行いましょう。
自社で温度管理等を徹底しても、不良品を納品されたら問題です。納品時には、外観、包装の状態、賞味(消費)期限を含めた表示、品温などをチェックして、記録しておきましょう。
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