今月の食品衛生重点チェック項目
| 対策 | チェックポイント |
|---|---|
| ノロウイルス対策の維持確認 | ノロウイルスの流行期は、10月末頃から翌年の4月頃となる。下痢風邪等の自己申告をするように周知する。手洗い方法とタイミングは、マニュアルに沿って行われているかを確認する。吐き気、下痢気味の方は食品を直接触らない部署に一時移動する。 |
| 年末年始製造管理の準備、整理整頓 | 年末の製造数、製造予定の確認と計画作成を行う。資材準備、受け入れ態勢の整備をする。製造量が増え始める前の整理整頓や大掃除を実施する。冷蔵庫、冷凍庫に不具合が無いか、温度設定等に問題が無いかを確認する。仕入れ原材料が増えるため、冷気の流れを塞がないよう冷蔵庫等の保管は容量の70%以下になっていることを確認する。 |
| 表示の確認 | 流通が増える年末年始を前に、期限表示、アレルゲン等の表示の確認をする。ラベルの貼り間違い、誤入力がないか(翌年を2年先に変更しているか)、印字機の不具合がないか、使用原材料変更がないかを確認する。 |
| 保健所年末一斉取締の対策 | 年末の保健所の立ち入り検査に向け、収去検査の準備をしておく。営業許可証、食品衛生責任者名が掲示されているかを確認する。HACCP関係書類のチェックを行う。衛生講習会の受講ができているかを確認する。 |
| 毛髪の異物混入対策 | 静電気が起こりやすい時期なので、粘着ローラー掛けの実施頻度を上げ、ヘアキャップ(毛髪防止ネット)の着用状況を確認する。着替える前に髪の毛をブラッシングして抜けそうな毛を落とすと良い。 |
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リコール(自主回収)の義務化について
食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)により、食品リコール情報の報告制度(リコール情報を行政に届出する)が、2021年6月からスタートしていることは、事業者の皆様はご存じかと思います。
また、この制度により消費者等は、自主回収される対象食品の喫食防止や健康危害等の情報が確認できるようになっています。今回は再確認の意味で、この制度について取り上げてみました。
●リコール報告の対象:届出対象となる事案例示は、以下のとおりです。
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食品衛生法に違反する食品又は食品衛生法違反の恐れがある食品
「アイスクリーム類」、「牛乳」、「ハム、ソーセージなど食肉製品」、「さつま揚げなど魚肉ねり製品」から大腸菌群の検出、「生食用鮮魚介類」、「ゆでだこ」から腸炎ビブリオの検出、添加物の使用基準に違反した食品、腸管出血性大腸菌O157検出、ガラス片やプラスチックなど硬質異物の混入、シール不良による腐敗やカビの発生などの食品など -
食品表示法に違反する食品
アレルゲン表示(小麦・卵・乳成分など)の欠落、消費期限を誤って長い期間を表示、本来表示する温度よりも高い温度を表示、アスパルテームを使用しているにもかかわらず「L-フェニルアラニン化合物を含む旨」の表示が欠落した食品など
●届出から公表までの基本的な流れ
- 営業者(届出):流通食品の食品衛生法違反又はそのおそれ、もしくはアレルゲン等の安全性に関わる食品表示法違反を探知したら、自主回収に着手します。
- 食品衛生申請等システム:【URL】https://ifas.mhlw.go.jp/faspub/_link.doに入力し、届出を行います。
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最寄りの保健所等は健康被害発生を考慮したクラス分類を行い、厚生労働省、消費者庁へ報告します。
CLASSⅠ
(食品衛生法):喫食により重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る可能性が高い場合(腸管出血性大腸菌に汚染された生食用野菜など)
(食品表示法):喫食により直ちに消費者の生命又は身体に対する危害の発生の可能性が高いもの
CLASSⅡ
(食品衛生法):喫食により重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る可能性が低い場合(一般細菌数などの成分規格不適合の食品など)
(食品表示法):喫食により消費者の生命又は身体に対する危害の発生の可能性があるものであってCLASSⅠに分類されないもの
CLASSⅢ
(食品衛生法):喫食により健康被害の可能性がほとんど無い場合(添加物の使用基準違反など) - 厚生労働省、消費者庁は、リコール情報の一元管理を行い公表(商品名、回収理由、想定健康被害等)します。
- データは、監視指導への活用⇒データ分析、改善指導、他の商品への拡大の有無等の確認 消費者への情報提供⇒速やかな情報確認、該当品の喫食防止、回収協力
- 届出のあったリコール情報は、オンライン上の食品衛生申請等システムから確認できます。
●届出の対象外
- 行政の回収命令等を受けての回収
- 不特定かつ多数の者に対して販売されたものでなく、容易に回収できることが明らかな場合など
●罰則規定
食品等事業者が、リコール情報を届出せず、又は虚偽の報告をした場合には罰則の対象となる場合がありますので、注意してください。
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