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【食品工場】ノロウイルスを持ち込まない・広げない!従業員の健康管理と入場ルールの再点検
食品工場で最も恐れられるのがノロウイルスの持ち込みと拡散。本記事では、従業員の健康管理や入場ルールの再点検ポイントを、実例やクイズを交えつつわかりやすく解説。工場責任者・品質管理担当者必読の完全マニュアルです。
目次
食品工場におけるノロウイルスの脅威

驚異的な感染力と食品への影響
ノロウイルスはたった数十個のウイルス粒子で感染が成立します。
しかも低温・乾燥に強いため、食品工場のような環境では長期間生き残ることも可能。
感染者が工場に入れば、製造ラインを通じて全国に商品が流通し、数百人・数千人規模の食中毒事故につながるリスクがあります。
工場で発生したらどうなる?実際の被害例
1000人以上の国内の事例があります。実際に起こったパン工場の例(2014年浜松市、患者数:小学校児童・教職員 1,271人)
原因は学校給食用食パンの製造工程における検品作業時に、ノロウイルスを保有していた従事者の手指又は作業着を介して付着したと推定されました。
冬季に注意すべき理由
毎年11月〜3月はノロウイルスが猛威を振るう季節。
「インフル対策はしているけど、ノロは軽視していた」という工場は要注意です。
冬季こそ最も厳格な健康管理と入場制限が必要です。
従業員の健康管理が第一の防波堤

出勤前の健康チェックシートの活用
毎日の健康チェックは、病原体を持ち込ませない最初の砦です。
- 下痢・嘔吐・腹痛があるか?
- 家族に同様の症状があるか?
- 発熱や倦怠感は?
これを紙やアプリで提出させ、症状がある場合は即、調理から外れるルールを徹底します。
下痢・嘔吐症状がある従業員は直接食品に触る作業をさせない。
次に、医療機関を受診させ感染症なのかどうかを診てもらう。そして、感染症なら何の感染症かを診断してもらったうえで、職場での対応を決めましょう。
「ちょっと下痢気味だけど大丈夫です」これは最も危険なパターン。
ノロウイルスは症状が軽くても排出され続けるため、即アウトブレイクにつながる恐れがあります。
定期的な検便検査の重要性
検便検査は、症状がなくてもウイルスを排出している“無症候性キャリア”を見つける唯一の手段です。
定期的に行えば、感染拡大を未然に防ぐことができます。
入場ルールを再点検!「持ち込まない」工夫

調理エリアに入る前の更衣と手洗い
工場内に入る前に必ず専用の白衣や帽子に着替え、石けんで30秒以上の手洗いを徹底します。
指先・爪・指の間は汚れが残りやすいので特に注意。
靴底・衣類・持ち込み物の管理
ノロウイルスは床や衣類に付着して運ばれることもあります。
- 靴底消毒マットの設置
- 持ち込み物は最小限に
- 携帯電話は専用ケースに収納
といったルールで「持ち込みゼロ」を目指します。
アルコールでは効かない?正しい消毒法
ノロウイルスはアルコールに強く、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒液)が有効です。 「アルコールスプレーをしているから安心」これは大きな誤解です。
工場内で広げないためのゾーニングと衛生管理

動線管理と「汚染区域」の区分け
区分けした衛生レベルに応じて移動ルールを定め(人や物の動きを管理)、交差汚染を防いで製品の安全を確保する工夫が必要です。
トイレ・休憩室の衛生対策
ノロウイルスはトイレを介して広がるケースが多いため、定期的な塩素系消毒が必須。
また休憩室での飲食時には、作業着・制服のまま食べないルールを徹底します。
ふきとり検査で見える「意外な汚染源」
食品検査機関のふきとり検査では、意外にもドアノブ・冷蔵庫の取っ手・タイムカード機・内線受話器などから菌が検出されることがあります。
「盲点」を把握し、清掃強化に役立てましょう。
よくある誤解と失敗例から学ぶ

「症状がなければ出勤OK」の落とし穴
無症状でもウイルスを排出しているケースは多く、健康そうに見える従業員が感染源になることも。
清掃スタッフが感染源になるケース
清掃作業で嘔吐物を処理した後、十分に消毒せず別のエリアを清掃。これで工場全体が汚染された事例もあります。
「長年問題なかった」油断が最大のリスク
「うちは昔からトラブルがないから大丈夫」この油断が一番危険です。
ノロは一度発生すると被害が甚大。予防第一の姿勢が必要です。
まとめとチェックテスト:あなたの工場は大丈夫?
クイズ① ノロウイルスに効かない消毒薬は?
→ 答え:アルコール。有効なのは次亜塩素酸ナトリウム。
クイズ② 入場前に必ずすべき行動は?
→ 答え:更衣・手洗い・靴底消毒。
クイズ③ 無症状でも感染源になるケースとは?
→ 答え:無症候性キャリア。症状がなくてもウイルスを排出する人がいる。
科学的管理が信頼される食品工場をつくる
食品工場においてノロウイルス対策は「最大の品質保証」です。
- 出勤前の健康チェック
- 定期的な検便検査
- 入場ルールの徹底
- ふきとり検査での見える化
これらを組み合わせれば、工場の信頼性は確実に高まります。
ノロウイルスを「持ち込まない・広げない」取り組みこそ、食品工場にとって最大のリスクヘッジであり、消費者から選ばれるブランドの条件なのです。


