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【栄養成分表示】外食・中食の栄養成分表示義務化、対応できてる?計算方法と表示のポイント
外食・中食における栄養成分表示が義務化。飲食店や惣菜販売事業者にとって必須の対応方法とは?本記事では、栄養成分表示の計算方法や表示ポイントを実例やクイズを交えて解説。店舗責任者必読の完全マニュアル。
目次
栄養成分表示義務化の背景と外食・中食への影響

なぜ今「栄養成分表示」が重視されるのか
「このお惣菜、カロリーはどのくらい?」「糖質は控えめ?」消費者からの関心が高まっています。
健康志向の広がりや生活習慣病対策により、栄養成分表示は消費者の購買判断の基準となりました。
法規制の概要と対象範囲
2020年4月から、包装済み食品の栄養成分表示が義務化。
対象は惣菜・弁当・パン・スイーツなどの中食も含まれ、外食でもテイクアウトや宅配商品は表示が求められます。
但し、お客様の注文に応じて弁当、総菜をその場で容器に詰めて販売する行為や仕出し弁当は、食品表示基準における容器包装に入れられた加工食品の販売に該当せず、生食用牛肉の注意喚起表示を除き、食品表示基準に定められた表示は免除されます。
仕出し弁当と同じお弁当を、その利用者の建物の中で、不特定多数に販売する場合は、「お弁当の販売」になるため、表示(衛生事項は必要、原材料名、内容量、栄養成分の量及び熱量、原料原産地名など一部の表示は省略可:Q&A弁当-18)が必要となります。
最近では、外食や中食(総菜・弁当など)でも、栄養成分表示がされているものが増えてきており、静岡市では「栄養成分表示のあるお店」の登録制度を設け、表示を推奨しているという事例もあります。
飲食店・中食事業者が直面する課題
- 人手不足で対応が後回し
- 計算や表示方法がわからない
- 店舗ごとに味付けや分量が微妙に違う
こうした課題にどう取り組むかが、これからの飲食ビジネスの生き残りに直結します。
栄養成分表示の基本と必須項目

表示が必要な7項目とは?
義務化された栄養成分表示は以下の7項目です
- 熱量(kcal)
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量
- 推奨表示(義務表示ではないが、積極的に表示を推進するよう努めなければならない成分):飽和脂肪酸、食物繊維
- 任意表示(義務表示及び推奨表示対象成分以外の表示対象となる成分):n‐3 系脂肪酸、n‐6 系脂肪酸、コレステロール、糖質、 糖類、ミネラル類(ナトリウムを除く。)、ビタミン類
最低限、1〜5は必須です。
「100gあたり」と「1食あたり」、「1包装あたり」の使い分け
「100gあたり」は比較に便利ですが、実際の摂取量をイメージしにくいもの。
一方で「1食あたり」「1包装あたり」は消費者にとって直感的でわかりやすい表示です。
「1食あたり(〇〇g)」など両方併記する事業者も増えています。
消費者が知りたい「見せ方」の工夫
ただ数字を並べるだけでは「難しい表」になってしまいます。
「低カロリー」「糖質控えめ」といったキャッチコピーを添えることで、購買意欲を高める効果があります。
栄養成分表示の計算方法を徹底解説

成分表を使った計算方法(理論値法)
もっとも一般的なのが、日本食品標準成分表(文科省公表)を使って計算する方法。
レシピの食材を成分表で置き換え、加熱や調理による変化を考慮して算出します。
コストを抑えつつスピーディに計算できるのがメリット。
実際に分析する方法(実測値法)
検査機関に依頼して実際に成分を測定する方法。
信頼性が高く、取引先や認証に求められるケースでは必須です。
ただしコストと時間はかかります。
ハイブリッド活用のメリット
定番メニューや主力商品は実測値で正確に、季節限定メニューは理論値で簡易に。
こうした使い分けが現実的で効率的です。
※分析に当たっては、原料食品の季節、生育環境、種の違い、加工時の加熱調理の仕方、輸送・保管時の温湿度などの変化要因を考慮して、適切なロット数を選択することが望まれます。
実例で学ぶ!飲食店・中食事業者の対応事例

惣菜チェーンの「定番メニュー表示」成功例
ある惣菜チェーンでは、売上上位20品をまず実測値で分析し表示。
結果、「安心して買える」と消費者の評価が高まり、リピート率が20%向上しました。
中小飲食店が陥りやすい落とし穴
「うちは小規模だから対象外」と誤解していた店舗が、保健所の指導で慌てて対応する例も。
規模に関わらず、テイクアウトや宅配を扱えば対象になることを忘れてはいけません。
ネット通販食品での活用ポイント
通販では栄養成分表示が購入の決め手になるケースが多数。
「低糖質」「高たんぱく」といった数値根拠があると、販促的に強力な武器になります。
栄養成分表示を正しく行うためのサポート体制

外部機関を活用した分析と検査
栄養成分の正確な表示には、第三者機関の分析が信頼性を保証します。
特に新商品や大手取引を意識する場合は、実測値の裏付けが欠かせません。
異物検査や細菌検査との連携メリット
栄養成分だけでなく、異物検査・細菌検査・ふきとり検査を組み合わせれば、商品全体の安全性と信頼性が高まります。
「栄養だけ」ではなく「安全性全般」を消費者にアピールできるのです。
表示トラブルを防ぐ社内ルールの整備
栄養成分表示は1度作って終わりではなく、レシピ変更ごとに更新が必要です。
そのために社内で「表示責任者」を明確化し、定期的に外部チェックを受けることが望まれます。
まとめとチェックテスト:あなたの店舗は対応できてる?
クイズ① 必須の栄養成分7項目は?
→ 熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量(+推奨・任意で食物繊維・糖質など)
クイズ② 理論値法と実測値法、どちらが正しい?
→ 正解はどちらも正しい。目的やコストに応じて使い分けがベスト。
クイズ③ 表示違反のペナルティは?
→行政指導や改善命令、最悪の場合は業務停止や回収命令、また指示・命令が出される場合は同時に行政当局によってその事実が公表され、信用失墜は売上にも直結します。
科学的根拠ある表示で信頼を得る
栄養成分表示は単なる「義務」ではなく、消費者の信頼を勝ち取るチャンスです。
- 定番商品は実測で信頼性UP
- 季節限定は理論値で効率化
- 検査や異物対策と連動し、総合的な食品安全を確保
これらを実行することで、店舗やメーカーは「安心・信頼できるブランド」として選ばれる存在になれるのです。


