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【冬の食中毒はノロだけじゃない!低温でも増殖するリステリア菌のリスクと管理法

冬はノロウイルスだけが脅威ではありません。低温でも増殖する“リステリア菌”は食品メーカー・飲食店・通販業者にとって見逃せないリスク。本記事では、特徴・事例・管理法・検査のポイントをわかりやすく解説します。

リステリア菌とは?冬場にこそ注意すべき理由

低温でも増える「珍しい食品菌」低温でも増える「珍しい食品菌」

「食品の細菌は、冷蔵庫の温度では増えないんでしょ?」
そう思っている方は要注意です。
リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes) は、5℃以下の低温でも増殖できる“珍しい”食中毒菌です。

つまり、冷蔵保存しても安心ではない菌なのです。

加熱不足・長期保存でリスクが拡大

リステリアは乾燥や塩分にも比較的強く、「加熱不足」「長期間のチルド保存」
「真空パック後の緩やかな温度上昇」といった状態で増殖する傾向があります。
特に冬は食品が「冷蔵状態だから大丈夫」と油断されがち。その油断こそが、冬の食品事故の盲点です。

世界的に問題視されている食中毒菌

日本の食中毒統計では、リステリアによる食中毒の報告例はありませんが、リステリア感染症の推定患者数は年間200人(平成23年食品安全委員会の評価書)とされています。ヨーロッパやアメリカでは「チーズ」「加工肉」「スモークサーモン」などを原因とする死亡事故が毎年発生しています。

とくに高齢者・妊婦・免疫が弱い人は重症化しやすく、致死率も高い菌として知られています。

リステリアによる事故はなぜ起きる?

冷蔵庫温度の“油断”が最大原因

冷蔵庫は「5℃以下」が推奨ですが、「開閉が多い」「庫内がぎゅうぎゅう」「温度計の位置が悪い」といった理由で 実際は7〜10℃ になっているケースが多くあります。

リステリアは、4〜10℃でゆっくりと増え続ける菌。つまり、冬場の冷蔵庫は菌にとって“快適な環境”になりがちなのです。

加工食品・チルド食品で多い理由

加工食品は、「加熱殺菌」「真空パック」「長期冷蔵」という工程を経ますが、包装後に菌が入ると、低温でじわじわ増える特性によりリスクが高くなります。

とくに真空パックは、「酸素がないから菌はいないだろう」と思われがちですが、リステリアは酸素の有無に関わらず増殖します。

実例で学ぶ被害の大きさ

海外では、ある食品工場のハム製品にリステリアが混入し、170人以上が感染・9名が死亡。

日本でも、輸入チーズなどからリステリア菌が検出された報告があります。見逃すと、企業ブランドだけでなく“命に関わる”問題になるのです。

リステリア菌のリスクが高い食品カテゴリー

ナチュラルチーズ・スモークサーモン

チーズやスモークサーモンは“低温保管が基本の食品”。
だからこそ、リステリアが増殖しやすい環境でもあります。

特に、「カマンベール」「ブルーチーズ」「スモークフィッシュ全般」はリスクが高いとされています。

日本では、一部の特定水産物(スモークサーモン、ネギトロ、明太子、筋子等)や野菜・野菜加工品(モヤシ、一夜漬け等)にリステリアの汚染があるという報告があります。なお国内で製造流通する乳製品の原材料である牛等の生乳が汚染していたとしても、食品衛生法で生乳又は生山羊乳は加熱殺菌が義務付けられているため、安全と言えます。

ハム・ソーセージなどの食肉加工品

ハムやソーセージは、加熱後 → カット → 包装という工程がある場合、最後のカット工程でリステリアが付着する可能性があります。

食品工場では、スライサー・カット台のふきとり検査が非常に重要です。

真空パック・長期保存食品の盲点

真空パックは雑菌を減らす効果はありますが、リステリアは真空中でも増えるため「真空だから安全」は大きな誤解です。

さらに、チルドで数週間保存される食品は、ゆっくり増殖するリステリアにとって理想的な環境です。

今日から実践できるリステリア管理法

冷蔵庫は「5℃以下」が鉄則

リステリア対策の最重要ポイント。 5℃以下で菌の増殖は大幅に抑えられます。

チェック方法

  • 温度計は“扉の近く”ではなく“中心部”に
  • 毎日記録をつける
  • 開閉が多い冷蔵庫は庫内を棚ごと見直す

小さな改善で事故リスクは激減します。

交差汚染を防ぐ調理・製造ルール

リステリアは水回りで生き残りやすいため、「生食材と加熱済食品の区分」「まな板・包丁の色分け」「ドアノブやタッチパネルの定期消毒」が効果的です。

特に、加熱後食品を扱うスタッフの動線管理は重要です。

加熱・洗浄・消毒の正しいポイント

リステリアは加熱に弱いため、中心温度75℃・1分以上が有効。

また、洗浄時には「洗剤で油脂をしっかり除去」「塩素系消毒剤(200ppm)が効果的」「乾燥までしっかり行う」“湿気が残った場所=リステリアの住処”です。

工場・店舗が行うべき検査とモニタリング

ふきとり検査で環境リステリアを監視

工場のリステリア対策で最も活躍する検査がこれ。「排水溝周辺」「ドレン」「スライサー」「冷蔵庫パッキン」「製造ラインの隙間」これらは “リステリアが最も住みやすい場所” と言われます。

定期的なふきとり検査で環境菌を監視し、早期にリスクを発見できます。

最終製品の細菌検査で“出荷基準”を確保

出荷前の細菌検査で、一般生菌数・大腸菌群・リステリアなどを測定すると、 「工場が実際に安全な状態か」を数値で確認できます。安心して出荷できる“科学的根拠”となり、クレーム削減にもつながります。

検便検査・異物検査との連携メリット

リステリアは環境由来が多い菌ですが、食品安全全体を考えると、ノロウイルス対策の検便検査、製造工程の異物検査、賞味・消費期限検査を組み合わせることで、ブランド信頼性が飛躍的に高まります。

まとめとチェックテスト:あなたの工場、リステリア対策できてる?

クイズ① リステリアは何度で増殖する?

5℃以下でも増殖する。冷蔵庫でも安心ではない。

クイズ② 危険な食品カテゴリーは?

チーズ、スモークサーモン、加工肉、真空パック食品。

クイズ③ 最も重要な管理ポイントは?

冷蔵庫温度の管理(5℃以下)と環境ふきとり検査。

冬こそ“科学的衛生管理”がブランドを守る

「冬は細菌が少ないから安心」──
この思い込みこそ最大のリスクです。

リステリアは低温で増え、長期保存食品や加工食品を狙います。
だからこそ、冷蔵温度管理・動線管理・清掃・消毒・定期検査・科学的データによる確認を徹底することが、食品メーカーや飲食店の“ブランドと信用”を守る最強の武器になります。

冬の衛生管理は、ノロウイルス+リステリアの2本柱で考える時代です。

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